- 大橋梓
諦める
この週末は、事務所の子役ちゃんたちの舞台を観てきました。
私は「アンクル」という事務所に所属していまして、
最近、子役ちゃんが増えてきたのです。
一緒にお稽古したり、オーディションや現場で会ったり、
会う機会が一番多い、同じ事務所の役者さん達です。
単純に、仲間が頑張っている姿への応援。
大人として、子どもたちみんなの成長への驚き、喜び。
そして、自分の子役時代へタイムスリップして、
初めてお芝居したときの爽快感や、
拍手をもらった時の興奮もよみがえってきて、
思いが溢れてごちゃまぜに。
外は40℃近い気温だけど、こっちも負けず劣らずの熱さ、暑苦しさです。
終演後、一緒に観に行った人と「面白かったね」と、
感想を言い合いつつ、私は暑苦しい思いの丈を話していたら、
急に「子役の子たちは、どの瞬間にお芝居ができるようになるのか」と聞かれまして。
お芝居中、殻を破るというか、風穴が開く瞬間はいつなのか、
ということを聞かれたと思うんですよね。
それが分かったらみんな苦労しないよ!!
と、その時は答えましたが、
おかげでちょっとクールダウン。
夜、寝る前にもう一度考えてみるとですね、
子どもの時の私の場合は、「開き直って諦めた時」
に、前進し始めたかもしれないです。
ずっと、
活舌が悪い、関西弁が抜けない、瞬きが多い、挙動不審、特技が無い、
音痴、リズム感が無い、動きが硬い、柔軟性が無い、体力が無い。
と言われていて、
いつも、その場しのぎにできる人の真似をして、
失敗して笑われて、また真似をして失敗して。
そして笑われていました。
笑われる度に恥ずかしくて、
真っ赤になって倒れそうになって。
そのうち笑われることに慣れて、
そうか、私はできないんだな。
今はできない私でいるしかないんだな、と開き直った瞬間がありました。
じゃあこれから、どうする?
上手にみせることはやめて、
ひとつずつ、出来ることから手をつけるしかない、と。
そう思ったら、子どもの時の方が悟っていたかもしれないな。
初心を思い出せました。
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