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マジカルグランマ

  • 執筆者の写真: 大橋梓
    大橋梓
  • 2022年2月19日
  • 読了時間: 2分

『マジカルグランマ』柚木麻子さん著


読んでいて、ドキーッ!としました。

「差別」についてバチっと書かれていることと、「さて、あなたはどうですか?」と問われているような気分になって。


タイトルになっている「マジカルグランマ」は、「理想のおばあちゃん」という意味で使われています。小柄で白髪、おっとりしていて…という風に。


ハリウッド映画で白人を助ける黒人キャラクター“マジカルニグロ”から着想を得ていて、いわゆる「理想の○○」というステレオタイプなイメージのことで、かなり皮肉的な言葉です。

(ニグロ、という言葉は使うべきではないと思いますが、この作品の中ではとっても重要な役割を果たす言葉なのであえてこのブログには書きます。)


そういえば、フレンチ映画の『最強のふたり』(公開は2012年)も、脊椎損傷をしたリッチな白人フィリップを介護したのは黒人男性のドリスでした。

『プラダを着た悪魔』のヒロイン・アンディーを助けるナイジェルは、毒舌でお洒落で、経済的に自立した面倒見のいい“マジカルゲイ”?


この2作品とも、私は観ているときには違和感を感じなかったんです。どちらも観ながらいっぱい笑いました。でも「また私達はこんな役回りか」と思って観た人は居る、ということですよね。


それに、私自身もまさにマジカル○○を目指しがちなので…あなたは自分を無くすほど作り込んでいませんか?とグサッと聞かれたような気にもなっています。


正子さんは、マジカルグランマを手放す過程でバッシングも受けて、差別の問題や高齢者の就労、認知症の方のサポートの在り方など、次々と問題に向き合っていき、チャレンジングな女性として前進しますが、私は初めの第一歩の「マジカル○○」につまずいたまま、うーーーん。


このテーマは、考え続けようと思います。


 
 
 

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